おおぞらどんぐり保育室 室長 入船 益夫さん インタビュー

地域とともに一人ひとりを大切に育てる保育室「おおぞらどんぐり保育室」

待機児童問題の解消を図り、横浜市は家庭的保育事業を実施している。「おおぞらひまわり保育園」を運営する「NPO法人おおぞら」のこれまでの実績を評価した行政からの要請で、「おおぞらどんぐり保育室」は開設された。家庭的保育の実践、また現代社会の問題点を交えながら同施設室長の入船さんにお話を伺った。

――さっそくですが、「おおぞらどんぐり保育室」の概要を伺えますか?

入船さん:「おおぞらどんぐり保育室」は、2012(平成24)年12月に開設しました。横浜市家庭的保育事業の一環として生後57日から3歳未満の受け入れをしています。『ヒルズ南戸塚』内にあるため、当保育施設の存在を御存知ない方はいるかもしれませんが、人が生活している場に保育室があることで、地域との交流が図れるというメリットもあります。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

――家庭的保育事業の内容と、なぜそれに参画されたのかを聞かせてください。

入船さん:横浜市の認定を受けたNPO法人が、マンションの一室を利用するなどして、家庭的な保育をしようというのが家庭的保育事業です。「おおぞらどんぐり保育室」の母体は「おおぞらひまわり保育園」を運営する「NPO法人おおぞら」で、これまでも“保育・子育てで困っている方の力になる”という姿勢を何よりも大切にしてきました。「おおぞらひまわり保育園」の入園希望者が定員を超えるまでに増えたこと、そして行政から声を掛けていただいことから、当保育室の開設を決めたのです。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

――「おおぞらどんぐり保育室」の定員と、現時点での受け入れ状況はいかがでしょうか。

入船さん:施設の広さによって定員が決まっており、当保育室の定員は9名となっています。現在はすでに定員を満たしているため、新規の受け入れができません。「子どもを預けたいのですが」という問い合わせがあるたびに、何とも言えない心苦しい気持ちになりますが、ほかに力になれることを探して実践したいと思っています。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

――すでに定員になっているとのことですが、もし空きがある場合、どのような方が「おおぞらどんぐり保育室」を利用できるのですか?

入船さん:『ヒルズ南戸塚』に住んでいる方だけが利用できるということはなく、市内在住の方である限りは利用できます。近くの公園で子どもたちを遊ばせているときに顔なじみになった『ヒルズ南戸塚』にお住まいの方がいらっしゃるのですが、当保育施設の存在を知って子どもさんを通わせてくれるようになりました。その意味では、地域に密着した保育施設と言えるかもしれませんね。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

――いわゆる通常の保育施設と、家庭的保育事業における保育の違いについて伺えますか?

入船さん:やはり、小規模ということに尽きると思います。職員1人が把握できる人数には限界がありますから、お子さんの変化に気づいたり、それぞれ時間を掛けて向き合うというのであれば、このくらいの規模が適しているように感じます。それと家庭的な雰囲気があるため、子どもたちもリラックスして溶け込みやすい環境ではないかと思います。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

――「おおぞらどんぐり保育室」の運営に当たり、心がけていることや大切にされていることはありますか?

入船さん:子どもたちが何を考え、何をしてもらいたいかを全力で理解するようにしています。泣くことでしか感情を表現できない0歳児であれば、その泣き方からすべてを汲み取らねばなりません。大人の目には単なる甘えやわがままに映ることでも、そこには必ず意味があるわけですから、それを分かってあげたいですね。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

理想は、ゆっくりと時間を掛けて信頼関係を築き、子どもたちが「自分は愛されている」と実感できる保育です。お子さんの将来だけでなく、親御さんの安心にも繋がっていくわけですから、ぜひそれを実践していきたいと思います。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

――今後の展開についてはいかがでしょうか。

入船さん:一般住宅を保育施設として利用しているので、施設面での改善点は多々あります。一般住宅を利用することのメリットはそのままに、少しずつ改善していければと思っています。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

現時点で定員になっているとはいえ、地域社会に対して力になれることはあります。公園で同年代の子どもたちと一緒に遊ぶことや、高齢者をはじめとする各年代との交流。また、料理の参考に「おおぞらひまわり保育園」の献立表を渡したり、子育ての悩みを聞いたりすることもできます。微々たるものかもしれませんが、それでも私たちができることを精一杯に取り組んでいきたいですね。

――最後に、「おおぞらどんぐり保育室」がある戸塚エリアの魅力・特長について聞かせてください。

入船さん:この場所に来てから月日も浅く、住まいは東京・練馬なのですべてを知っているわけではないのですが、“都会でもなく田舎でもない”といった印象を持っています。別の言い方をすれば、都会と田舎の良い面を持ち合わせていると言えるかもしれませんね。さらに言うと「戸塚」駅からは横浜市営地下鉄とJR路線も利用できますから、アクセス性に優れていることも大きな特長ではないかと思います。

あおぞらどんぐり保育室
あおぞらどんぐり保育室

あおぞらどんぐり保育室
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入船 益夫さん

おおぞらどんぐり保育室室長
http://www.city.yokohama.lg.jp/kodomo/unei/hdata/s0002.html
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ヒルズ南戸塚
ヒルズ南戸塚

※この情報は2014(平成26)年6月時点のものです。